地元にて
生まれる場所と育つ場所は選べない。
それでいて、それら場所には苦い思い出が詰まっている。
楽しかった記憶以上に、今ならもっとうまくやれるのになという苦い記憶。
だから、地元に帰るとあのころを思い出して少し複雑な気持ちになってしまう。
あのころから少しは成長できたのだろうか。
そう思いたいが、本質はさして変わっていないのだろう。
悔やんでもやり直せない物事ばかり。
そもそも、あのころがあって、もがいたからこそ今の自分がある。
今の自分だって、前より少しはマシになったかもしれないが数年先の自分から見ると恥ずかしいことばかりだろう。
人に優しく。
自分に優しく。
全てを受け入れて必死に生きるより他ないのだ。
そして、望もうと望むまいと私のルーツはこの地元で、この家族なのだ。